原田マハ「総理の夫」
現実では「総理夫人」が大騒ぎされています。
なんだかタイムリーでおもしろそうと思って読んでみました。
原田マハさんの作品は、取り上げる題材がおもしろいから「おっ!」と興味を引くんだけれども、読了後に「あ~~」とがっかりすることもあります。
残念ながらこの本はまさにそのパターンでした。
もし、私が高校生くらい、大学1・2年生ぐらいならおもしろいエンターテイメント作品として読む事ができたのですが。
もう中年にもなると、このレベルの話はちょっとつらかったです。
小説に出てくる人がみんないい人で、結局みんな幸せになって、なんでもいいように話しは展開していって。
「すごいラッキーな人生だな」と途中からは笑えてしまいました。
主役の総理の夫も「おい、いいかげんにしろよ」と言いたくなるぐらいの発言、行動をしてるし。
でも、それがなぜかいい方向に動いていくのがビックリ!
すごいストーリ展開です。
おもしろかった点は、小説の中でも、”総理の夫”は公人か私人かという話しがでてくること。
”総理の夫”のお兄さんが、自分の事業が有利になるような政策を「総理の夫」に口ききを頼んだり、と今話題の話と似たようなことが起きることです。
本の題材がおもしろかっただけに、もっと現実味あるドロドロした政治ストーリが読みたかったです。
正直にいえばワイドショー・週刊誌の方が数倍楽しいです。
驚くべきことは、この本が書かれた頃と日本の政治の世界はまったく変わってないということ。
きっと、数年後に読んでも同じように感じるだろうと思います。
がっかりだよ~。
原田マハさんの書くアート小説はおもしろい!
こちらの記事でまとめて紹介しているのでぜひ読んでみてください。
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