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読書 「なかなか暮れない夏の夕暮れ」江國香織の感想

タイトル:「なかなか暮れない夏の夕暮れ」

なかなか暮れない夏の夕暮れ

なかなか暮れない夏の夕暮れ

 

作者:江國香織

発行年:初版2017年

採点(お気に入り度)

43点(50点満点中)

おススメしたい人・おススメのシチュエーション

☑マイペースで生きていきたい人へ。

☑のんびり、いつでも昼寝しながら読めるシチュエーション。

茶箱のおススメポイント

①脇役の大竹さんの若い奥さんへのストーカ?ぶり。

②波十(はと)ちゃん。名前かわいすぎる。

③うらやましい?稔の生き方。

感想

大好きな作家さんの久しぶりの長編小説です。

読み終わってしまうのがさみしくて?昼寝しながら、ボソボソ読んでました。

登場人物の人数はけっこういて、なんだかんだと絡みあっているのですが、だれもが幸せなような、夢の世界を生きているような気がしてしまします。

なんとなくどの登場人物も、現実味がないような・・・。

なんで、途中途中に挟まれる主人公の稔が読んでいるロシアの小説の内容の方が、現実なんだろうか?という感覚にも陥ってしまいます。

実はロシアの小説の方が、波乱万丈でおもしろいのです(笑)

主人公稔の友達の淳子さん(じゅんじゅん)と大竹さんが私のお気に入りです。二人とも、大人であって大人ではない感情をもっていて、彼らに対して「わかるけれどね~」と同情したり、共感したりしてしまいました。

もうひとつ、ものすごく共感したシーンはこちら。

稔さんの元妻の渚さんが、新しい若い旦那さま藤田くんがテレビばかり見ていることに対して思うセリフ。

本よりはましだ。渚は自分にそう言い聞かせる。そして自分でも画面に目を据えて、おなじものを観ようとする。(中略)

どの芸能人のどの発言に笑ったのかがわかるので、そばで本を読まれるよりは、やはりずっとやすらかだった。

 本ばかり読んでいた稔さんと比べています。

これは、私もよく思います。テレビだと何を見ているかわかるのでなんとなくその場の空気を共有できているのですが、ポータブルゲーム機でゲームをされたり、本を読まれると一緒にいても一人ぼっちな気分になるんですよね~。

それにしても、こうして本文を写してみると江國さんの日本語の気持ちよさや、ちょっとしたニュアンスに気づかされます。

「画面を観る」決して「画面を見る」ではないんですよね。

う~ん。すごいな、作家さんの日本語。

この物語の先として、淳子さんと稔さんの奇妙な夫婦も見てみたいけれど、やっぱり渚さん(ママ)と稔さん(パパ)と波十ちゃんの家族を復活させてあげたいのですが。

あ~、でも渚さんと藤田君にも子どもができるのか・・・。

う~ん、なかなかうまくいかないですね。人生。

十数年まえに読んだ同じく江國香織さんの作品で、大好きだった「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」にも少し似てるかな~と思います。